コーヒー豆は、「コーヒーノキ(コーヒーの木)」 という植物の種子です。
その果皮(外皮と、内皮:パーチメント)と果肉を取り除いた状態(生豆と呼びます)で流通します。
この時点では、苦味や酸味は殆どありません。香りもありません。 ここから「焙煎」と呼ばれる工程を経て一般によく見るコーヒーの姿になります。
コーヒー豆は大別すると、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3種類 があります。
「アラビカ種」 はコーヒーの中で一番最初に発見された品種です。
1800年代に「さび病」というコーヒーノキの病気が流行した際、多くのアラビカ種が危険にさらされ、病気に負けない強い品種が求められました。そこで見つかったのが 「リベリカ種」 です。
しかしリベリカ種は、複数ある「さび病」の種類のうち、全てに適応した強さはありませんでした。
やがて全ての種類のさび病への耐性を持つ「ロブスタ種」 が発見されると、リベリカ種の需要は急速に減っていきました。
「ロブスタ」は、ラテン語で「力強い」という意味を持ちます。本当はロブスタ種というのは「カネフォラ種」という品種のうちの一つなのですが、事実上、カネフォラ=ロブスタとして扱われています。現在、世界の生産量で見るとアラビカ種が7割~8割。ロブスタ種が2割~3割。リベリカ種は1%未満と言われますから、我々がリベリカ種を目にすることはほぼないと思われます。
「アラビカ種よりロブスタ種の方が病気に強いのに、なんでアラビカの方が沢山栽培されてるの?」と思われたかもしれません。その理由は、アラビカは種の方が、ロブスタ種よりも味の面で優れているからです。 左がアラビカ種の豆、右がロブスタ種の豆です。
見た目の特徴として、アラビカ種は縦長で粒も大きく、ふっくらとしています。一方、ロブスタ種は小さくてころんとした、全体的に丸っこい外観をしています。
味や風味はアラビカ種の方が高品質とされており、世界中の著名な高級銘柄豆(例:ブルーマウンテン)やスペシャルティコーヒー、また、シングルオリジン(単一品種のみによる飲み方)として提供されるコーヒーは、例外なくアラビカ種です。
アラビカ種の中にはさらに細かく沢山の品種が枝分かれしており、代表的なティピカ種やブルボン種、今ではすっかり高級品種となったゲイシャ種などがあります。