広がりを見せるラテアート

 ここで扱うラテアートは、もしかすると、これを読んでいる人がイメージするラテアートとは違うものもあるかもしれません。

 

 もっと言うと、バリスタとしての技術を普段から磨くことに尽力している方には、ラテアートと認めることは出来ないジャンルかもしれません。

(その辺りの考察は、こちら↓のページをご参照下さい)

ラテアートの定義の変化 ~ 嗜好品である以上、その実態は変わっていくもの ~

 僕はそれもひとつの意見だと思います。しかしラテアートの裾野や可能性を広げるという意味では、色々なアプローチがあっていいのではないでしょうか?

 

 「自宅でラテアートを楽しんでみたい」というニーズは多くありますし、「コーヒーが飲めないけどラテアートを頼みたい」というお客様も、沢山僕のお店にご来店されます。

 

 「ラテアートはカプチーノに描くものだから。コーヒーが飲めないと無理。諦めてね。」というのは、いちサービス業に従事する者として、あまりに冷たいと思うわけです。

 

 子どもでも簡単に出来るラテアートがあってもいい。

 

 コーヒーが飲めない人にも、ココアや紅茶でラテアートを描いてあげたい。

 

 カフェインを気にする妊婦さんにもラテアートを楽しんで頂きたい。

 

   

 

 

 ラテアートはお客様に楽しんで頂きたいという気持ちから始まったものですから(きっと)。

 

シロップワーク ~ チョコレートシロップとピックで工夫次第 ~

 「シロップワーク」という名前をつけてみましたが、正式名称があるわけではありません。

 

 カプチーノの上に、チョコレートシロップを乗せたり、それをピックで伸ばしたりして何かしらの絵柄を作るやり方です。幾何学模様のような、パターンアートが多いです。

 

 

 

最近は、なんとコレ専用のシロップまで発売されました。

モナンからリリースされた、ココア(チョコレート)と、キャラメルの2種。

 

 日本よりむしろ海外の方が主流かなと思います。シアトル系のカフェではアレンジにシロップを使うことは良くあることですし、そこに見た目のエンターテイメント性を付加すれば、お客さまに喜んで頂けるでしょう。

 

 短時間で作れることも魅力です。大型店舗では、チマチマとエッチングをしていたらオーダーがすぐに溜まってしまいますが、この方法なら素早く提供可能です。

 

 やり方は、まず普通にカプチーノやカフェラテを淹れます。注ぎ始めたら出来るだけすぐにカップにピッチャーを近づけ勢いよく注ぎ、表面全体に白い泡(キャンバス)を作ると、仕上がりの見栄えが良くなると思います。

 

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 そこに、チョコレートシロップを乗せます。100均ショップなどで売っているディスペンサー(マヨネーズやケチャップなどを入れる容器)にシロップを詰め替えて使うと、細く乗せられます。ある程度粘度の高いものなら、キャラメルソースでも大丈夫です(紅茶ラテで作る場合はキャラメルの方が味の相性がいいです)。

 

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 シロップを乗せたら、ピック状のものでシロップを引っ張って絵柄を作ります。適度なスピードで、一息に動かすのがポイントです。

 

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 線を一本引いたら、布巾やウエットティッシュなどでピックを毎回綺麗にしてから次の線を引くことも、きれいな絵柄を作るためのコツです。

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 今回は雪の結晶を作ってみました。

 

 こちらに動画も掲載しています。

 簡単ですし、工夫次第で色々な絵柄が描けると思いますので、是非チャレンジしてみてください^^

 

 

ステンシル ~ オリジナルの抜き型を作ってみるのも面白い~

 こちらも正式な名称があるわけではありませんが、ステンシル(型紙・抜き型)を使ったラテアートです。

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 簡単に言えば、カプチーノやカフェラテの上に型紙をかざしてココアパウダーなどをふりかける方法です。

 

 最近は、アニメ系のテーマカフェなんかでよく見かけるようになりました。企業やイベントのロゴなんかもアリですね! あまり複雑な絵柄は向きませんが、シンプルなものなら非常に映えると思いますし、何より簡単で、作るのが超早いです(笑)。

 

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 ステンシル(抜き型)は、東急ハンズやLOFTみたいな店に様々な種類のものが置いてありますし、最近は100均ショップでも見かけるようになりました。ネット通販でも、色々なステンシルが販売されています。

 

 100均ショップで手に入る、クリアファイルやカードケースなどをカッターで切り抜いて、自分オリジナルのステンシルを作ってみても面白いと思います。

(硬質プラスチックは切りにくいので、怪我をしないように注意)

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 シロップワークと同じく、出来るだけ表面全体に白い泡を乗せて、キャンバススペースを広めに作ることがポイントその①。

 

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 ポイントその②は、ステンシルを上にかざすとき、出来るだけカプチーノやカフェラテの表面(液面)に近づけること。表面から離れていると、絵柄がぼやけてしまいます。

 

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 ポイント③は、ココアパウダーは茶漉しなどを使って、ある程度の高さから振ること。近すぎると均一に振れませんし、指でつまんで振ろうとすると塊になってしまいます。

 

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 こちら動画も掲載いたしましたので、よろしければご覧下さい。

 振るパウダーはココアパウダーが一般的に使われますが、抹茶でも良いですし、エスプレッソ用のコーヒー(極細挽き)も振ることが出来ます。きな粉を振っている人も見たことがあります。

 

 あとは・・・たとえば白い星やハートを作りたければ、まず全体にココアパウダーを振ったあとに、星やハートのステンシルで粉砂糖を振れば、白く星型を抜くことができます。このあたりもアイデア次第ですね!

 

エスプレッソ以外をベースにしたラテアート ~コーヒーが飲めない人でも~

 エスプレッソ以外をベースにしたラテアートと言えば、抹茶ラテアートが人気が高いと思います。

 

 エスプレッソを抹茶に置き換えるだけですので、要領は全く同じです。ココアもそうですね(ココアを少量の湯で溶いて、それをベースにする)。ホットチョコレートをベースにするのもとても美味しいですし、お子様にも喜んでもらえます。

 

  紅茶で作ることも可能です。ティーバッグで問題ありません。この場合は、クレマに該当するものがないので、必然的にシロップやパウダーで絵柄を作るパターンに限られます。この方法なら、「ベースなし。ミルクだけ。」でも絵柄を作ることが可能です。(それってもはやラテアートなのか?というツッコミは、この場合はスルーです)

 

 「コーヒーが好きだけれど、妊娠中だからカフェインが…」というお客様には、今はカフェインレスのコーヒー(デカフェ)もありますので、それも一つの選択肢です。

 

 抹茶ラテアートを例に挙げてみましょう。まず、ベースとなる抹茶を点てます。エスプレッソ抽出に当たる作業です。

 

 和カフェなんかだと、お客様の前で点てて差し上げると大変喜んで頂けるでしょう。海外からの観光客とか大喜びしそうな気がします。

 

 今回は茶筅と茶碗で点ててみましたが、カップに抹茶を入れて少量のお湯を入れてスプーンで溶かしても大丈夫です。溶け残りがないようにだけ、要注意です。

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 このまま茶碗に直接スチームしたミルクを注いでもいいですし、一旦カップに移してから注いでもOKです。お好みで先に砂糖を加えておくのもいいと思います。

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 エスプレッソが抹茶に置き換わるだけですので、全く同じ要領でエッチングも可能です。

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 こちらも動画をアップしていますので、ご覧下さい。

 

 個人的には抹茶ラテアートは大好きです。浮世絵の絵柄や、 矢絣(やがすり)みたいな伝統の和柄をモチーフに描くのも雰囲気があっていいですね。チョコレートと抹茶は相性がいいので、チョコレートシロップを使ってのエッチングも綺麗に映えます。