メーカー:メプラ(Mepra)
サイズラインナップ:12oz、18oz、29oz
系統:イタリアタイプ
15年以上前に僕がFMIのバリスタセミナーを受けに行った時、どんなメーカーのピッチャーがオススメですか?と講師の方(現在 Lo SPAZIOのオーナーバリスタである野崎晴弘さんでした。当時はまだLo SPAZIO開店前。)に聞いたところ、出てきたメーカーの名前の一つがMEPRA(メプラ)でした。
僕は数種類のブランドのピッチャーを持っていますが、メインで使っているのはこのメプラです。
本場・イタリアのバールでもよく使われている伝統の逸品で、少々値は張りますが、本格的にイタリアンスタイルのバリスタを目指す方なら持ちたい一本です。日本のプロバリスタにも愛用者は多いです。
メプラの18ozはラトルウェアで言うところの20ozに当たります。(同様に、メプラの29はラトルウェアの32です)。
僕は脚(台)の無いタイプを使っていますが、メプラのミルクポット(ピッチャー)で、一般でよく見るのは脚(台)付きタイプだと思います。大会で脚付のタイプのピッチャーを使っている人のは、このメプラが多い気がします。
脚付の方が全体重量としては重くなりますが、重心が下に来ますので、その分上部(注ぎ口)を軽い力で振ることが出来ます。なので、女性なんかだと脚付の方がやりすいという声を聞くことがあります。
全体形状としては、ラトルウェア(左)に比べてメプラ(右)の方が、丸っこい印象がありますね。ハンドルも全体が湾曲していて、かなり違いがあります。
重量はラトルウェアの20ozが290gなのに対し、メプラの18ozは、僕が使っている脚無しタイプで361g。これが脚付になりますと450gぐらいになりますから、ラトルウェアの1.5倍。随分と重い印象になると思います。正直、複雑で細かいフリーポアよりは、ハート一発!シングルリーフ一本!みたいなラテアートに向いていると思います。細かい絵柄を描きたければ、取り扱いしやすいものを選んだ方が、やりやすいかもしれません。
個人的には、全体に丸い形状のため、スチームの際のミルクの回転が非常に良く、なめらかでツヤのあるフォームを作りやすいと感じています。(だからこそ僕自身はメインピッチャーとして使用しています。)
特徴的なのは注ぎ口です。ラトルウェアが本体と一体化しているような形状に比べて、メプラの注ぎ口は別パーツがついているかのように出っ張っています。
上から見ても全然違いますね(左:ラトルウェア、右:メプラ)。
取り回しが楽なのはラトルウェアのようなシアトルタイプなのは事実ですが、メプラが細い線が出しづらいかというと、実はそうでもありません。最終的には慣れ、練習です。
持ち方としては、ペン持ち向きです。
僕が「売れているのはラトルウェア」とこれだけ言いながら、自分はメインでメプラを使っているのは、ペン持ち派の僕にとってはラトルウェアが持ちにくく感じるからという理由が大きいです。
価格は高価な部類に入りますが、アメリカのラトルウェアが「機能美」だとすると、メプラの流れるような優美なフォルムは、機能だけに留まらず それ自体の美しさも追求した、イタリア製ならではの美意識を僕は感じたりもします。