タンピングが終わったら、いよいよ抽出です。

 

 まず、ポルタフィルターをセットする前に、「グループヘッドのフラッシュ(洗い出し)」です。具体的には、一定量(シングル1ショット分程度)の湯を空出しします。

 

 これは抽出口をすすいで前回抽出したコーヒー粉(つまり出し殻)を洗い流すと共に、抽出口を温める作業です。

 

 店舗での実際の営業では、「ポルタフィルターを外すと同時にグループヘッドのフラッシュ → その間に、ドーシング・レベリング・タンピング →  抽出」 という流れでスムーズに進むと良い感じです。

 

 グループヘッドのフラッシュを行ったら、ポルタフィルターをグループヘッドに挿入し、抽出ボタンを押します。

 

 グループヘッドに挿入してからボタンを押すまでの時間は短いほうが良いです。時間がかかってしまうと、それだけシャワープレートからの水分や熱で、豆に過剰な蒸らしを与えてしまうことになってしまうからです。

 

 

細くはちみつを垂らすような流れで、25秒前後の時間をかけ、30ml程度のエスプレッソが抽出されるのが理想です。エスプレッソが途切れることなく一定のスピードで垂直に落ちるように調整を行います。

 

抽出スピードに問題があるようなら、以下のような点に原因がある可能性があります。

 

【抽出スピードが早すぎる場合(抽出アンダー)】

 

  • グラインダーのメッシュが粗すぎる → 細かく設定する
  • 一杯あたりの粉の量が少なすぎる → 粉の量を増やす
  • タンピングが弱すぎる → タンピング圧力の調節
  • 抽出量が少なすぎる → 抽出量の調節

 

 

【抽出スピードが遅すぎる場合(抽出オーバー)】

 

  • グラインダーのメッシュが細すぎる → 粗く設定する
  • 一杯あたりの粉の量が多すぎる → 粉の量を減らす
  • タンピングが強すぎる → タンピング圧力の調節
  • 抽出量が多すぎる → 抽出量の調節

 

 

 一番大切なことはあくまで「味」ですので、テイスティングを行いながら、理想に近づけていきましょう。

 

 うまく抽出が出来ると、表面にはしっかりとしたクレマ(泡)が浮かびます。

 

 クレマは適度な厚みと、ヘーゼルナッツ色の光沢を持ちます。

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 クレマの色が濃すぎる場合は粉が多い、抽出湯温が高い、粉量が多い等の原因が考えられます。

 

 クレマの色が薄い場合は、抽出湯温が低い、豆の鮮度が悪い、粉量が少ない、メッシュが粗い、などの原因が考えられます。

 

 また、抽出後のポルタフィルターから落としたコーヒーの粉をコーヒーケーキと呼びますが、このコーヒーケーキが「ポコン」と綺麗に形を保ったまま抜けるのが、よい抽出状態です。

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 コーヒーケーキがボロボロと崩れるようだと、タンピングが弱いなどの抽出不足。コーヒーケーキの色にムラがあるようだと、抽出にもムラがあることになりますので、タンピングがおかしい(強くタンピングされた箇所と弱い箇所がある)、グラインダーの挽きが安定していない(粒度にばらつきがある)、ドーシング前に前回の抽出の出し殻が残っていた、ドーシング時のディストリビューションがきちんと出来ていない、などの原因が考えられます。

 

 このように、さまざまな情報からエスプレッソ抽出が適正かどうかが判断できます。

 

 こちらに抽出の動画を掲載いたします。