ラテアート教室をやっていると、よく聞かれる質問のひとつに「カプチーノとカフェラテはどう違うんですか?」というものがあります。

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 そうですよね、わかりづらいと思います。

 

 簡単に言うと、「材料は一緒だけど、ミルクの泡に含まれる空気の量が一番の違い」です。

 

 ベースとなるコーヒーは、カプチーノもカフェラテも、どちらも同じエスプレッソです。

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 ここにフォームドミルク(温めて泡立てたミルク)を注ぐわけですが、この時のフォームドミルクが・・・、

 

 カプチーノは、もとのミルクの体積を1とするなら、約1.5 倍になるまで泡立て(空気を含ませ)、上部に最低1cm以上のフォーム(泡)の層が出来ます

 

 カフェラテの場合は、もとのミルクの体積を1とするなら、約1.2倍まで泡立て(空気を含ませ)、フォームの層は0.7~1.3mmです。

 

 つまり、カプチーノの方が、より空気を含んだ「フォーム(ふわふわ)感のあるミルク」を使います。口当たりの軽さや、フォームとコーヒーの一体感を楽しむことが出来ます。

空気が多い

 

 カフェラテは、より「スチームドミルク(単にスチームで温めたミルク)」に近い、液体の割合が多いミルクを使います。泡(空気)の比率が少ない分、牛乳の使用量も多いため、カプチーノより飲みごたえがあります。

 

 液体に近いということは、シロップなどの副材料とも混ざりやすい特徴があるので、フレーバーラテ系のアレンジにも向いています。

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 全体の容量にも違いがあります。カプチーノは150ml~180mlのカップ。カフェラテは180ml~200ml。それ以上のカップを使うこともあります。単純にカフェラテの方が量が多いですね。

 

 なので、カプチーノ1杯に対してシングル(約30ml)のエスプレッソを使用するところ、カフェラテの場合は1杯に対してダブルのエスプレッソや、場合によってはトリプルの量を落とすバリスタもいます(仕上がり量によって変わります)。

ネイキッド

 

 「カフェラテ」と「カフェオレ」の違いについても聞かれますが、カフェオレはベースのコーヒーがエスプレッソではなくドリップコーヒーで、また違うテイストの飲み物です。深めに焙煎した苦みの効いたコーヒーと、温めた牛乳を、1:1ぐらいで合わせます。

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 「オ・レ」はフランス語で牛乳のことです。加えるミルクも、スチームされて空気を含んだものではなく、単に温めた牛乳。つまり「ホットコーヒー牛乳」がカフェオレですね。

 

 ・・・とはいえ、カプチーノやエスプレッソがこれだけ世界中に浸透した現在、フランスのカフェでも当たり前のようにエスプレッソマシンを置いています。

 

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 カフェオレのオーダーが入った際は、そのエスプレッソマシンのスチーム機能を使って温める店も多く・・・、場合によってはカフェオレのベースをドリップコーヒーではなくエスプレッソマシンで抽出しているお店もあります(まぁ、その方が早いですからね)。「それはもはやカフェオレではなくカフェラテでは・・・」と突っ込みたくなりましたが(笑)。

 

 なので、僕が「カフェラテとカフェオレの違い」を聞かれたときは、上記の説明をした上で「厳密には違うんだけど、実際のところ、現場レベルでは殆ど違いは無くなってきてますねー。」という回答をしています。

 

 事実、僕がフランスでカフェオレを頼んだときに出てきたものは、カフェラテかな?と思うぐらいに、フォームドミルクが乗っていました(下写真)。

 

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 エスプレッソの飲み方のバリエーションとしては、粉量に対して抽出量を多めにした「エスプレッソ・ルンゴ」や、逆に少なめにした「エスプレッソ・リストレット」があります。(単純に濃い目・薄い目と考えてOKです)。これは当然、規定量というものがあるわけではなく、バリスタが目分量で抽出量を調節して提供するため、味はバリスタ次第です。カプチーノを作る際のアレンジでは、「泡多め(タンタ・スキューマ)」や「泡少なめ(センタ・スキューマ)」という注文をする人もいます。

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 その他、エスプレッソをベースとしたものには、定番のカプチーノ・カフェラテの他に、エスプレッソに「染み(しみ、イタリア語でマッキャート)」をつける程度の量のフォームドミルクを加えた「エスプレッソ・マッキャート」(その逆として、多めのフォームドミルクに、エスプレッソを染みのように落とした「ラテ・マッキャートもあります)。エスプレッソをお湯で割った「カフェ・アメリカーノ」。アルコールをひとさじ加えた「カフェ・コレット」。ココアパウダーやチョコレートを加えた「カフェ・マロッキーノ」、「カフェ・モカ」。シロップと合わせてシェイカーで急冷させた「カフェフレッド・シェケラート」や、フローズン系など、冷たい飲み物としてのアレンジも可能です。

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 このようにエスプレッソは、コーヒーの一番美味しいところのエッセンスをぎゅっと凝縮した飲み物なので、「量は少ないが味が濃い」という特徴があります。その分、色々なドリンク・アレンジを作りやすいのも、エスプレッソの魅力かもしれませんね。