ラテアート関連で取材などを受けると頻出で聞かれる質問に、「今まで描いたラテアートで何が一番難しかったですか?」というのがあります。

 

 大抵は、「ご本人の似顔絵が一番難しいです」と答えるのですが、それはラテアート的にどうこうというより、「似顔絵描き」としてのスキルの話になってくるので、実はちょっと方向性が違うかもしれません。

 

 「単純にラテアートで描くにあたって一番難易度が高かったのは?」という質問に対する答えとしては、「アルフォンス・ミュシャ」です。

 

 アルフォンス・ミュシャのラテアートは、実はラテアートを始めてわりとまもない頃から挑戦していました。

 

 円形のデザインがいくつかあるので、それがラテアートのカップにピッタリ合うような気がしたからです。そしてそれは正しい選択ではあったのですが、いかんせん、絵柄が細かい!

 

 よっぽど状態の良い泡を作らないと、描いている途中でどんどん崩れていってしまいます。

 

 下線を描き上げた段階で、ここから色を塗るかどうか迷うところです。もうこのままでいい気もしてきます。

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十分いい味出してますもんね・・・。

 

で、結局塗ったんですが、

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 塗らないほうが好き!っていうひとも、わりといるかもしれません。難しいところですね。

 

 他にも色々描いてるのですが、あまりの細かさゆえにカップを放棄して、スープ皿に描いたこともあります。

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 直径は15cmぐらいかな。。。

 

 思いつきでやってみたのですが、こういうのも出来るんだと自分でも面白い発見だったと思いました。

 

 その後いくつか、サイズの大きな絵を色々な皿に描くのにハマった時期がありました。

dorakuro

 ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」。

 

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの、「最後の晩餐」。今描いたらもう少しマシに描けるかな(笑)。

 

 こういった「器で遊ぶ」楽しみは、その後僕のラテアートでひとつの方向性になったのですが、それはまた改めて。

 

 話をミュシャに戻しますと、ミュシャは「日本人の好きな画家」ランキングなんかでは入ってこないんですよね。

 

 ミュシャ展なんか、わりとよくやってるイメージですけど。

 

 ミュシャは「画家」というより「イラストレーター」に近い区分なのかもしれません。実際、商業ポスターなんか沢山手がけてますから、今で言う「人気絵師」さんみたいなポジション?

 

 でも、「美大生が選ぶ『凄いと思う画家ランキング』」には入ってくるらしいですよ。デザイン性への評価とか、それだけ感性が新しかったということなのかもですね。

 

 ラテアートとして描くには確かに難しいですが、その分やりがいは十分です。

 

 

 今まで描いたミュシャのラテアートを動画にまとめてみました。是非ご覧下さい!