まずは「エスプレッソに触れてみたい」、「ラテアートというものを体験してみたい」と思う方が手を出しやすい価格帯がこちら。

 

 このあたりの価格帯だと、メーカー側も「エスプレッソマシン」ではなく「エスプレッソ・カプチーノメーカー」という名称で販売しているケースが多いです。「マシン」より、コーヒーメーカーに近い感覚ですね。「入門機」と考えましょう。

 

 また、エスプレッソ抽出の後、ミルクのスチームを行う際に、スチームが出来るようになるまで時間がかかることもあります。このあたりはボイラー性能自体の問題ですが、値段を考えればやむなしかと思います。同様に、中位機種と比べると動作不良や故障を起こす頻度も上がりますので、頭に入れておきましょう。

 

【ネスプレッソ イニッシア C40】

使用可能コーヒー:専用カートリッジ(ネスプレッソ)

重量:2.4Kg

消費電力:1200W

 「ネスレ」が販売している、自社規格カートリッジ「ネスプレッソ」を抽出するためだけの専用エスプレッソマシン

 

 挽き粉やカフェポッドは使えず、あくまでネスプレッソ専用であること。また、ミルクスチーム機能が無いので、カプチーノやカフェラテを淹れたい場合は、別途ミルクフローサーを用意する必要があることに注意が必要です。「ネスカフェゴールドブレンド バリスタ」や、「ネスカフェ ドルチェグスト」は、また別の規格商品です。

 

 エスプレッソを楽しむことに特化していて、この点に関して言うならとても高いコストパフォーマンスを誇ります。取り扱いも、カプセルをセットしてボタンを押すだけ。正直、プロの目から見ても、ここ最近のネスプレッソは綺麗なクレマも出て、本当に美味しいです。

 

 カラーバリエーションはルビーレッド、クリーム、ホワイト、ブラックの3色。

 

 

【ボンマック BME-100】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド

重量:3.7Kg

消費電力:1150W

 エスプレッソマシンの輸入販売を行う、業界大手の日本企業「ラッキーコーヒーマシン」の自社ブランド「ボンマック」が製造している家庭用エスプレッソマシンです。

 

 1万円を切る(元々の定価は18,000円)値段ながら、エスプレッソの抽出・スチーム機能を備えています。外装パーツの殆どがプラスチック製であるなど、値段なりの外見ではありますが、家庭用としてはトップクラスのスチームパワーを誇るコストパフォーマンスは特筆すべき点です。

 

 

【ボンマック BME-100 DARMAR】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド、エコポッド(ドリップポッド)

重量:3.7Kg

消費電力:1150W

 こちらの「DARMAR」は上記ボンマックBME-100スタンダードの上位機種・・・というより、拡張機種。使用可能コーヒーに「エコポッド」が増えています。エコポッド(新名称:ドリップポッド)は、UCCが出しているドリップコーヒーのカプセル規格です。

 

 つまり、エスプレッソマシンでありながら、ドリップコーヒーが抽出できるコーヒーメーカーとしての機能も備えている、ということです。エスプレッソマシン自体の性能としては、スタンダードモデルと全く同じと考えて差し支えありません。

 

 

【Delonghi デロンギ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC152J】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド

重量:2.8Kg

消費電力:1050W

 誰もが知るイタリアの家電メーカーの雄、デロンギ社が販売する、エスプレッソマシンの入門モデル。エスプレッソ抽出、スチームが可能。同価格帯のボンマックと比べると、スチームパワーは劣る反面、エスプレッソ抽出周りはカフェポッド専用ホルダーもしっかりした作りになっています。

 

 エスプレッソの抽出機構、ポンプ、ボイラーといった基本構造は同社の近い価格帯の新モデルであるEC221変わらないので、純粋にエスプレッソを楽しみたいと考えてデロンギを購入するのであれば、非常にお買い得。ただ、マシン自体が小型のために抽出口やスチームノズルの位置が低いです。マグカップなどを使用する際は抽出口に斜めに差し込むなどの必要があるかもしれません。スチームを使用する際は、マシン自体を台に乗せるとやりやすいとと思います。

 

 スチームはパナレロと呼ばれる「ベル型」のスチームノズルが、過剰にモコモコした泡を作ってしまう(初心者に優しいパーツなのですが、逆にラテアートをやりたい人には余計な機能)ため、ラテアートをやりたいと考えるなら、ベル型のプラスチックパーツを改造するとフォームドミルクが作りやすくなります(ベル型パーツは、メーカーサイトでパーツのみ購入も出来ます。改造は自己責任で)。

 

 

【Delonghi デロンギ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC221】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド

重量:3.3Kg

消費電力:1100W

 デロンギ社が販売する、家庭用エスプレッソマシンの主力モデルの一つです。エスプレッソ抽出、スチームが可能。シンプルな操作性と、エスプレッソ抽出の安定性で、家庭用エスプレッソマシンとして人気の高い1台です。

 

 カラーバリエーションは、赤・黒・黄・白の4色です(それぞれ、型番号の最後にR・B・Y・Wが付きます)。本体外装は、基本的にプラスチック製ため、安っぽさは否めません(デザインがシンプルゆえに余計にそう感じてしまうのかもしれませんが)。

 

 ポンプやボイラーなどのメインパーツはEC152Jと共通なので基本性能は同じですが、EC152Jより一回り大きく、抽出口の高さは少し上がっていて、カップが置きやすくなっていますが、スチームの際は、やはりマシンを台に乗せた方がやりやすいと僕は思います。30分で自動で電源が落ちる「30分オートオフ機能」が搭載されている安全設計で、切り忘れても安心です。

 

 スチームはEC152Jと同じで、ラテアートをやりたいと考えるなら、パナレロを改造するとやりやすくなります(改造は自己責任で)。

 

 エスプレッソを楽しむマシンとしては非常に優秀だと思いますが、ラテアートをとなると、やはりスチームのパワー不足は感じると思います。ただ、出来ないというわけではなく、コツをつかむ必要があります。

 

 

【Delonghi デロンギ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC200N】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド

重量:3.1Kg

消費電力:1000W

 デロンギ社が販売する、EC221の旧モデルです。かなりの数が出回った人気機種のひとつで、現役で使用されている方も多いと思います。現在も新品在庫が販売されているため掲載しました。エスプレッソ抽出、スチームが可能です。カラーバリエーションは白・黄・黒の3色。

 

 新モデルであるEC221との違いは、「外装のデザイン」と「30分オートオフ機能が無い」という2点のみです。機能・性能としては、他は全て同じです(細かく言えば消費電力が若干違いますが)。

 

 現状、EC221が台数が出ているためか相当値段が下がっているので、新モデルであるはずのEC221の方が安価に手に入ります。「EC200Nの外観が好き」という理由以外なら、こちらを買うよりはEC221の方がお得です。「旧モデルと知らずに、新モデルより高いお金を払って買ってしまった」と後悔する人がいないように、という意味も込めての掲載しました。

 

 

【BIALETTI TAZZISSIMA ビアレッティ タジッシマ】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド、専用カプセル

重量:3.5Kg

消費電力:1250W

直火式エスプレッソメーカー「マキネッタ」の代名詞とも言える「ビアレッティ社」が発売した、エスプレッソマシン。

 かわいい。とにかくかわいいカップをイメージしたデザインで、見た目に抜群のインパクト。「TAZZA(カップ)」×「ISSIMA(最上級の)」で、TAZZISSIMA(最高のカップ)という意味のネーミングがされています。

 

 カラーバリエーションは、ブラックとホワイト(シルバー)の2色。天板は簡易カップウォーマー機能もついてます。ミルクスチーム機能も付属していますが、パワーは今ひとつとのこと。値段を考えれば仕方ないのかもしれません。それ以上に見た目に価値のある機種だと個人的には思います。

 

 こういったプロダクト・デザインは、イタリアの真骨頂ですね。

 

 使用可能なコーヒーは、挽き粉とカフェポッドの他、「ビアレッティ タジッシマ/モキッシマ 専用カプセル」が使えます。3種類が使えることで、同社は「トリオ・システム」と称しています。

 

 専用カプセルは、イタリアの主要都市に因んだ「トリノ(アラビカ75%、ロブスタ25%)」「ヴェネチア(アラビカ80%、ロブスタ20%)」「ミラノ(アラビカ100%)」「ローマ(アラビカ50%、ロブスタ50%)」「ナポリ(アラビカ30%、ロブスタ70%)」「デカフェ(アラビカ60%、ロブスタ40%):カフェインレス」の6種類があり、バリエーションに富んでいます。

 

 

【BIALETTI MOKISSIMA ビアレッティ モキッシマ】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド、専用カプセル

重量:3.3Kg

消費電力:1250W

 同じく「ビアレッティ社」による、家庭用エスプレッソマシン。

 

 こちらは同社の看板商品である直火式エスプレッソメーカー、マキネッタ「ビアレッティ」の形そのものをエスプレッソマシンにしています。モキッシマは、ビアレッティで淹れるコーヒーが「モカコーヒー」と呼ばれることから、「最高のモカ」という意味でのネーミングです。

 

 こちらもかわいい。インテリアとして抜群のデザインです。友達を家に呼んだら、「アレ何!?」と言われること間違いないでしょう。カラーバリエーションは、レッドとシルバーの2色です。

 

 見てのとおり、天板によるカップウォーミングはありませんが、ミルクスチーム機能はちゃんと付いています。性能・機構としてはタジッシマと同様。

 

 タジッシマ / モキッシマの、オペラ感あふれる公式説明動画はこちら。