ここから先の機種は、確かに高価ではありますが、その性能はどれも満足度の高いものばかりだと思います。

 

 家庭用としては最上級クラスに位置し、練習次第ではプロ顔負けのエスプレッソ抽出・ラテアートが出来る機種群です。

 

 実際、小規模のカフェなら、これらの1台で事足りるケースもあるかと思います。

 

【BUGATTI ITALY DIVA ESPRESSO MACHINE  ブガッティ エスプレッソマシン・ディーバ】

使用可能コーヒー:挽き粉、カフェポッド

重量:7.6Kg

消費電力:950W

 イタリアで90年以上の歴史を持ち、世界中で愛されているキッチンウェアブランド「BUGATTI ITALY(ブガッティ・イタリー)」。

 

 何をおいても言及しなければいけないのは、そのスポーツカーのような飛びぬけたデザインでしょう。とにかくカッコいいです!(個人の見解です) これぞイタリア!と言うべきそのデザインは、そもそもブガッティの創業者が芸術家一族で、会社が銀食器のデザインからスタートしたあたりからも伺えます。

 

 カラーバリエーションも豊富です。

 

Bugatti-Diva-Espresso-Machine

 

 上部天板はカップウォーマー機構になっています。

 

 この値段のマシンにしては珍しく、カフェポッドも使用可能です。エスプレッソもしっかりしたクレマが出せますし、スチームのパワーもあります。このデザインに一目惚れしたなら、楽しいエスプレッソライフが待っていることでしょう。

 

 メーカーの使用動画はこちら。雰囲気は伝わるかと思います。

 

 

【RANCILIO SILVIA ランチリオ・シルビア】

使用可能コーヒー:挽き豆

重量:14Kg

消費電力:710W

 世界中のエスプレッソファンから愛される、イタリアのメジャーブランドのひとつ、ランチリオ。

 

 70年以上の歴史を持ち、ランチリオが生み出す高性能な業務用エスプレッソマシンは、ヨーロッパや北米を中心とした、数多くのバールやレストラン、ホテルで使用されています。

 

 その業務用パーツを惜しげもなく使用した家庭用モデルがこのシルビア。

 

 家庭用でありながら、外装は業務用と変わらないステンレス仕上げ。シンプルで無駄をそぎ落としたそのデザインは、まさにイタリアの職人を思わせてくれます。

 

 エスプレッソ抽出機構は、こちらも業務用と同じく58mmポルタフィルターを備え、ベスト・エスプレッソの抽出が可能。エスプレッソだけに限定するなら、1時間あたり60杯の抽出能力を持つパワーと安定性は、長くホームバリスタの憧れの逸品であり、今なおその地位にあり続けています。

 

 スチームパワーももちろん十分なレベルで、キメ細かいフォームドミルクをスチームすることが出来ます。ただ、エスプレッソとスチームの切り替えには、やはりタイムラグはあります。ここだけは、家庭用マシンが安易に越えられない壁ということですね。

 

 このぐらいのレベルのマシンになってくると、グラインダーにもこだわりたくなってくると思います。

 

 現在、最新型は2016年モデルの「V5」ですが、入手ルートがかなり限られているようです。しかし、もともとの基本性能が既に完成していたこともあり、V3からV4(2015年モデル)、V4からV5へのバージョンアップはそれぞれ主たる性能とはあまり関係ない部分での、微々たるものでした。なので、現状手に入りやすいV3を購入しても、性能的に最新モデルと大きな差は無いです。

 

・ V3→V4の仕様変更点:ヒーター素材の変更。ポルタフィルターのスパウト(注ぎ口)の形状変更。

・ V4→V5の仕様変更点:メインスイッチのデザイン変更。ボイラーに断熱材を追加(待機電力の省エネ化)。30分操作しないと電源がオートオフされる機能が追加・・・個人的なことを言うと、オートオフ機能は要らないです(笑)

 

 

【パボーニ エスプレッソマシン プロフェッショナル】

 

使用可能コーヒー:挽き豆

重量:5.45Kg

消費電力:1000W

 エスプレッソマシンを生み出したべゼラからパテント(特許)を買い取ったパボーニが生産を開始したことで、エスプレッソマシンは世に出ました。つまり、「エスプレッソマシンメーカー」の元祖ともいえる会社、それがパボーニです

 

 その後パボーニはエスプレッソマシン一筋での経営を行っており、その100年のパボーニの歴史=エスプレッソマシンの歴史と言って差し支えありません。

 

 パボーニの生み出すエスプレッソマシンは、100年の間に幾多のマイナーチェンジを行ってきましたが、その原型は100年前から変わっていません。ピストンレバー・ハンドルによるエスプレッソのマニュアル抽出機は、「エスプレッソを1杯淹れることの喜びと楽しさを味わうことが出来る」機種として、エスプレッソ愛好家から絶大な人気を誇ります。

 

 現在主流となっているエスプレッソマシンのほとんどは、ボタンを押せば9気圧の圧力でエスプレッソを抽出してくれます。しかしパボーニのマシンは、このレバーハンドルを押し下げることで、自らの力で圧力をかけてエスプレッソを抽出する仕組みです。

 

 同じ味のエスプレッソを抽出することはとても困難ですが、逆に言えば、自分の加減ひとつでエスプレッソの味わいに変化を出すことも可能です。まさに「コーヒーのある生活を楽しむための機種」といえるでしょう。

 

 スチーム機能も十分なパワーを持ち、ツヤツヤのミルクフォームを作ることが出来ます。

 カラーバリエーションというか、素材によるバリエーションがあります。

 

 

 各所に天然木をつかったウッドハンドルグリップの、型番PLH。


 銅&真鍮+18金メッキ。ハンドルはウッドグリップ仕上げの、型番PRG

 

 

 そして18金メッキ&ウッドハンドル仕上げである、PDHです。ラグジュアリーなインテリアとしても最高の、まさに銘品と呼んで差し支えないでしょう。シックなカフェなんかに置いてあっても抜群に雰囲気を盛り上げてくれると思います。長く使い続けたい一台です。

 

 

【Nespresso Maestria ネスプレッソ・マエストリア】

使用可能コーヒー:専用カプセル(ネスプレッソ)

重量:5.3Kg

消費電力:1260W

 こちらは、ネスプレッソの最高級機種「マエストリア」です。

 

 外装はアルミ仕上げで美しいビジュアル。カラーバリエーションはクリームとレッドの2色です。

 

 抽出量を 25・30・40・50・60・70・90・110・130・150 mlの10段階で変化させることが可能です。スチーム機能も付いているので、カプチーノ/カフェラテを作ることが可能です。

 

 

セミコマーシャルマシン(準業務用マシン)20万円~

【Nuova Simonelli Oscar Ⅱ ヌオーヴァ・シモネリ オスカー2】

使用可能コーヒー:挽き豆

重量:13Kg

消費電力:1200W

 世界バリスタチャンピオンシップの公式エスプレッソマシンも出しているシモネリ社の「オスカー2」です

 

 シモネリのマシンとしては一番安価で、家庭用機という位置づけですが、結構なお値段です(ちなみに、シモネリで2番目に安い「アッピア」は50万ぐらいです)。

 

 小さなカフェでしたらこちらでもそれほど問題なく提供が可能かと思います。そういう点では、十分にセミコマーシャルマシンと言えます。

 

 初代オスカーは、「業務用に近いクオリティ」「家庭用で考えられる最高級機種」と言われ、シモネリの信頼性と合わさってエスプレッソファンには大きな評価を受けていました。そのオスカーの後継機として、2016年に登場したのがオスカー2。鏡面ステンレス仕上げとなった外装も大きくかわりましたが、機能の面でも飛躍的な向上をしています。

 

 まず一つはエスプレッソ抽出。こちらは以前はマニュアル式だったのですが、抽出量を1杯用、2杯用と予めプリセット可能になったため、ボタンひとつで操作が完了します。

 

 スチーム機構も、スチームの開閉がダイヤル式からレバー式へと代わり、レバーの上げ下げだけで一発開閉が出来るようになりました。また、スチームノズルが長くなって操作がやりやすくなったこと、ノズル先のチップが、オスカーの上位機種であるアッピア(約50万)やアウレリア(約200万)と同じノズルチップが採用されています。もちろん、パワーも言うことなしです。シモネリはイタリアの業務用エスプレッソメーカーの6割にボイラーの提供をしているほど、ボイラー製造には評価の高いメーカーです。そのシモネリのボイラー性能により、安定して質の高いスチームを行うことが可能です。なにより、業務用と同じヒートエクスチェンジ(熱交換器)を備えていますので、エスプレッソ抽出を行いながらスチームを同時に出来る機種です。ここが、セミコマーシャルと言える最大のポイントです。

 

 家庭用としては、確かに高額には違いありません。ですが、沢山のエスプレッソファンが、自宅用としてこのオスカー2を購入しているというのも、紛れもない事実です。

 

 「コーヒーを淹れる機械に20万!!」と聞くと物凄く高く聞こえますが、正直、ゴルフやスノーボードなんかも、用具一式揃えたららそれなりの金額ですし、ホールやゲレンデに何度も足を運べばその分お金がかかっていくことを考えると、マシンさえ買ってしまえばコーヒーは1杯数十円の世界ですから、実は趣味としては、それほど無茶な金額じゃないのかな・・・と最近思うようになりました。