「ラテアートについて、
こんなページがあればなぁ…」
このサイトは、ラテアートを始めた頃の、僕のそういった気持ちから立ち上げました。
ただラテアートを見るのが好きな方。
ラテアートを今から始めたいと思っている方。
ラテアートを実際に描きはじめた方。
仕事でラテアートをガンガン描いている方。
そういった全ての方々に、
役に立つサイトになればと思っています。
管理人 イタリア料理ベルコルノ
代表 伊藤 雄一
僕自身がラテアートに興味を持ったのは、20年ほど前のことです。
当時は「エスプレッソ」に対する認知も低く、「出てきたエスプレッソの量が少ない!」とクレームを仰る客さんも多かったと聞きます。
エスプレッソマシンを置いているカフェ自体が珍しい頃でしたが、大学生だった僕は、そういったお店を見つけては通い、カウンターの向こう側のエスプレッソマシンのカッコ良さに憧れながら、カプチーノに描かれたラテアートの美しさに魅了されていました。
「いつかは僕も自分のカフェを持ってラテアートを出したい!」と思っていましたが、当時はラテアートに関する情報なんて満足に手に入りません。スマホどころかYouTubeもない時代。携帯電話に、Eメールを送信する機能がようやく出始めた頃です(「カメラ機能付き」携帯は、まだ発売されていません)。
当然、ネットで調べても、ある程度まとまった情報を掲載しているサイトなんて片手で数える程しか無く・・・
ラテアートについて知りたいと思ったら、エスプレッソマシンの輸入代理店が細々と開催しているセミナーに出かけるか、ラテアートを提供しているお店の人と仲良くなって教えてもらったり、そこで働いて技術を習得するしかありませんでした。
時を経て今・・・、いざネットでラテアートについて調べようと思った際、「便利なサイト」が出てきたかというと、残念ですが「ラテアートについて包括的に情報を網羅したサイトはまだ無い。」と思います。
確かに、昔とは比べ物にならないほど、ラテアートについての記述や写真・動画は出回るようになりました。SNSには、プロ・アマ問わずフリーポアの名手による美しい動画や、凝ったエッチング画像が溢れています。
ですが、自分のこれまでの経験を振り返って、
・ラテアートに興味を持ち始めた頃
・ラテアートを「始めたい」と思った頃
・ラテアートを始めたばかりの頃
・ラテアートに、ある程度慣れてきた頃
・お店でラテアートを出し始めた頃
・お店で出すラテアートに、バリエーションを増やしたいと思った頃
・お店の営業に、ラテアートを積極的に活用していきたいと思った頃
その段階ごとに「欲しい」と思った情報は、全てバラバラでした。
そして、その全てを網羅しているサイトは、今も無いと思うのです。
個々の情報は、確かにあります。様々な「描き方動画」も見れますし、エスプレッソマシンに関してなら、輸入代理店の通販サイトも情報が充実しています。
しかし、それらは全てバラバラの情報で、いわば「点」。
あるひとつの事(点)を理解した次に、次の何か(点)を知りたいと思ったら、また別のサイトなり本なりを探さないといけません。点と点が繋がっていないわけです。
いちユーザーが「ラテアートについて知りたい!」と思った時に、点が繋がり線になっている方が理解が早いことは明らかです。
そしてそれこそが、「ラテアートについて情報を網羅したサイト」であると思うのです。
ひとつ、僕の経験談を挙げてみます。
僕がラテアートに興味を持ち始めた頃、業務用のエスプレッソマシンの写真を見て、ポルタフィルター(コーヒー粉を詰めるパーツ)に、抽出口が2つある物と、1つの物があるのに気付きました。
エスプレッソマシンを触ったことがない僕は、疑問に思ったわけです。
「あれ?エスプレッソを1杯淹れるのと、2杯淹れるのじゃ、コーヒー粉の量は違うよね? それなのに写真を見ると、フィルターの中に粉を詰めるスペースは同じぐらいの大きさに見えるんだけど・・・どういうこと!?」と。
実は、ポルタフィルターの中には「フィルターバスケット」という粉を詰める「器」が入っていて、そのバスケットの大きさが違います。
今なら、「ちょっと考えれば分かるだろ?」とも思うし、バリスタが聞いたら、「そんなこと知らなかったの?」ってレベルの、カッコ悪い話です。
でも当時は真剣に疑問に思っていて、FMI(マシンの輸入代理店)のバリスタセミナーでエスプレッソマシンを触った時に初めて「あぁ・・・こうなってたんだ!!」と思ったのを鮮明に覚えていいます。
「段階ごとに欲しい情報が違う」というのは、こういうことです。
今、ネット上のラテアート情報ページは、その多くが、こういう「超基本的な」知識をクリアした人たちが作っています。考えてみれば当然です。分かっていないと作ませんから。
だから、わりとこういった超基本的知識は、「分かっていて当然」として扱われ、記述されていなかったりします。
しかし、こういう情報こそが、一番最初の段階のひとにとっては、「へぇ!」であり、「なるほど!」なわけです。
こういう所も網羅されていて、それが線で繋がっていれば、どの段階の人でも入り易いし、「とっくに知ってるよ!」という人にも、改めて確認することは意味のある作業だと思います。
自分が教える側に回ったとき、どんな点を押さえればいいかを考えるには、自分が辿ってきた道筋を思い返すことが一番の方法ですから。
このサイトでは、そういった「線」で繋がる情報提供を心がけ、ラテアートについて知りたいと思っている、あらゆる段階の方の役に立てることを目的としています。
そして、これは「ラテアートについての情報がネット上で不足している」と僕が感じる理由の一つでもあるのですが・・・、実は飲食業界って、まだまだインターネットよりも紙媒体の方が情報が早く、詳しかったりします。いわゆる「業界誌」ってやつです。
そういった情報や、セミナーや展示会でしか手に入らない情報は、ネットに上がってこない事もあります。そんな情報も取り上げていけたらいいなと思っています。
このサイトは、ラテアートに興味を持ち始めたばかりの頃から今までを振り返って、
「こういうサイトがあればよかったのに」と自分が思うようなサイト作りを心がけています。
ラテアートは、あらゆる人を笑顔にすることができる魔法のカップです。
現在進行形で描いている人も・・・、これからの人も。
ラテアートの世界へようこそ!