SNSの普及がラテアートの広まりを後押ししたことは間違いありません。
今やSNSでラテアートが掲載されない日は無く、ラテアートのアイコンも多く見かけます。
ぱっと見て写真1枚で「綺麗」「可愛い」と認識でき、「驚き」「感動」を伝えられるラテアートは、SNSとの親和性が抜群です。
うちの店にご来店されるお客様でも、ラテアートが出てきてすぐに飲む人は皆無で、必ず写真を撮ってから飲まれます。
今後も「見た目のインパクトや美しさ・可愛らしさ」といったビジュアル面でのアプローチは、トレンドのひとつの形となるでしょう。もちろん、長い目で見れば、味を大切にすることにも大きな意味があることは、言うまでもありません。
海外から来られる方も多いです。
日本のラテアートは、世界的にもハイレベルなようですが、他にアジアだと、台湾や韓国のバリスタさんも、とてもレベルが高いです。昨年のコーヒーフェスト ラテアート世界選手権の優勝は台湾のバリスタでした。環太平洋まで目を向けると、オーストラリアもコーヒー文化が盛んです。
それと、最近SNSを見ていて気付いたのが、「ラテアート飲んできた!」みたいな表現をする方が出てきたことです。
ラテアートは商品名ではなく、あくまで「カプチーノ」や「カフェラテ」という商品に付帯する「付加サービス」、乱暴に言ってみれば「オマケ」でしかなかったはずです。
「エステ」や「マッサージ」などは、形のないサービスですが、それ自体が商品として認識されています。しかしラテアートは、商品ではありません(カプチーノという「飲み物」が商品です)。
にも関わらず、「ラテアート飲んだ」とか「ラテアート頼んだ」という表現が増えてきている現状を見ると、ラテアートそのものが、商品としての価値を持ち始めたことを、意味していると思います。
もう1つの大きな流れは、家庭でラテアートにチャレンジする人が増えたことです。
今、全国各地で「ラテアート教室」や「ラテアート体験」が開催されています。背景には、以前は高価だったエスプレッソマシンが、比較的安価な値段で購入できる家庭用機種が充実してきたことがあります。
ヨーロッパなどでは家庭へのエスプレッソマシン普及率は大変に高く、気軽にコーヒーを楽しむことがライフスタイルに根付いています。実に様々なメーカーがその市場を競い合っています。
「ネスプレッソ」のように、エスプレッソ抽出専用マシンもよく出回っています。
一昔前は家庭に「コーヒーメーカー」を置いているところも多かったと思いますが、今後、日本でも家庭で「エスプレッソ」や、そのアレンジドリンクを楽しむ機会が増えていくかもしれません。
一旦機材を買ってしまえば、コーヒー豆と牛乳さえあれば取り組むことが出来るので、ラテアートは高額にお金がかかる趣味ではありません。何より、家族や友人といった、周りの人にも喜んでもらうことが出来る趣味です。ラテアート教室のほか書籍も充実してきていますので、自宅でのラテアートにチャレンジする人が今後一層増えることでしょう。