エスプレッソマシンが無い場合は、ミルクフローサー(ミルクフォーマー、ハンディーフォーマー、ミルククリーマーなどとも呼ばれます)を使って、フォームドミルクを作ることが出来ます。

 

 とりあえずラテアートをやってみたい、という方にはハードルが低くておすすめの方法です。慣れれば、十分フリーポアも描けるレベルの綺麗なフォームが作れます。

 

 

 一杯を泡立てるのに時間がかかり、また、量産が出来ないという点で店舗には向かない方法ですが、家庭でやる分には全く問題ありません。(席数がごく少ない or ドリップ系が主力でラテ系オーダーが少ない店舗であれば、フローサーでの供給も可能かと思います)

 

 フローサーは100均でも購入できますが、このようなメーカー品も市販されていて、ミルクを攪拌する際に使う専用の容器が付属していたりします。もちろん、本体のみでも販売しています。

 

 メーカーとしては、カリタとハリオがよく売れていると思います。

 

 ハリオのミルクフローサーは回転のスピードが他メーカーと比べると頭一つ抜けて早く、パワーも強いので空気を入れやすい特徴があります。

 

 カプチーノを作るのに向いていると言えます。逆に、油断すると空気が入りすぎてしまうのですが、そこはシャフトの長さが若干短い分、コントロールはしやすいと思います。基本ポジションはミルクの中に沈めた状態で、徐々に徐々に空気をいれていくのが特にポイントです。

 

 カリタのフローサーはハリオに比べると回転は遅いので、その分空気を入れすぎてしまうという失敗はしにくいと思います。回転スピードの分、時間はかかるので、カフェラテ向きといえるかもしれません。

 

 100均のフローサーとメーカー品のフローサーの違いは、モーターの回転速度、パワーや耐久性です。

 

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 回転速度が早ければその分、ミルクは細かくは攪拌されるため、もったりと粘度のあるキメ細かいミルクフォームを作ることが出来ます。

 

 また、所要時間も短くて済みます。エスプレッソマシンでは長くスチームすると温度が上がり過ぎて泡が粗くなってしまいますが、フローサーの場合は長く攪拌すると、その分、空気に触れる時間が長くなるので温度が下がってしまいます。回転速度の速さは、より短時間でフォームドミルクを仕上げることが出来るので、味の面でのメリットを持ちます。

 

 ちなみに回転速度に関しては、意外と盲点なのが電池です。新しい電池は回転が速く、古い電池だと遅くなります。

 

 また、アルカリ電池を使用するとパワーは上がり、マンガン電池だと下がるので、フローサーのパワーが強すぎる場合には、あえてアルカリではなくマンガンを使用したり、わざと古い電池を使用したりという裏技もあります。

 

 泡立てる際に使う容器は、ある程度高さのある円筒形のものがやりやすいです。

 

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 大きめのマグカップなどでも可です。

 

 ただ、泡立てた後に注ぐ工程のことを考えるなら、注ぎ口が付いているタイプの方が注ぎやすいです。100均で売っている計量カップはプラスチックのものだと、耐久性に問題がありますのであまりお勧めはしません。

 

 結局のところ、それほど高いものでもないことを考えると、ラテアートにも使えるミルクピッチャーがベストなんじゃないかと、僕はやっぱり思ったりします。

ミルクピッチャー ~ラテアートを描くための道具。選び方~

 

 エスプレッソマシンはスチーム(蒸気)を使うので、泡立てと同時にミルクを温めることができますが、フローサーは泡立てる機能しかないので、予め電子レンジや鍋を使ってミルクを温めておく必要があります。

 

 温度は65度~70度ほどがいいでしょう。電子レンジを使う場合は、何度か試して、自宅の電子レンジが何mlの牛乳を何秒温めるとその温度になるかを覚えておくといいと思います。

フォーマーでのフォーミング1

 

 牛乳を容器に移したら、必ずフローサーの先端を沈めてから電源を入れましょう(入れてから沈めようとすると飛び散ります)。

 

 フローサーの先をミルクから出すと空気が入り、ミルクに沈めると泡が細かくなります。

 

 フローサーの先端を容器の真ん中寄りにすると、中央の液面が大きく凹み、先端がミルクから出て空気が入りやすいです(下の写真の状態)。逆にフローサーの先を端に持っていくと液面の中に沈んで空気が入らない攪拌状態になります

 

 フローサーを上げる・下げるという上下の動きだけではなく、横の動きでの調整によるポジショニングも意識してやるのがポイントです。

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 コツは、「泡を入れすぎないこと」。モコモコの泡になってしまっては、綺麗なラテアートは出来ません。

 

 元の牛乳の体積を1としたときに、カフェラテなら1.2程度、カプチーノなら1.5程度まで増えるように空気を入れるのが目安です。

 

 また、あまり長い時間回していると温度が下がってしまうので気をつけましょう。泡が綺麗になったら回転を止めて構いません。

 

 以下に動画を掲載しましたので、ご参考にどうぞ。

 

 このあと、ミルクピッチャーをグルグルと回すと、ピッチャー内の上下の、泡とミルクが均一になります。