エッチングのいち派生ジャンルですが、食紅やシロップといった可食性のある色素を使うことで、ラテアートに色を付けることが出来ます。
このような、製菓・料理用の食紅を使用します。アイシングカラーを使用してもいいのですが、割高になってしまいます。食紅の良いところは、無味無臭なので、コーヒー自体の味を損ねないことです。
シロップを使用する場合、味と香りが付きます。逆に言えば、それを生かしてフレーバーコーヒーのような楽しみ方も出来ます。食紅とはまたひと味違った、柔らかい発色になります。
フランスのモナン社の製品が発色がよく、お勧めです。基本の赤(ストロベリー)と青(ブルーキュラソウ)は、700ml入りの他、250ml入りもあります。
青色などの寒色は食欲減退色なので賛否が分かれますが(特に日本では)、見た目に大きなインパクトのある一杯を作ることが出来るので、他との差別化になります。
僕はカップ全面に色を使う「フルカラー・ラテアート」を、おそらく世界で初めて確立させたことで注目して頂けるようになりましたが、必ずしも色をつけることに拘りを持っているわけではありません。
むしろ、コーヒーの茶色と白のコントラストで良い一杯ができるようになって初めて、色を使う方がいいと思っています(色を使うことを最初に覚えてしまうと、基礎的な力がつきません)。
色を使うことは、単純にラテアートの「アート」面において、その表現力を高めることが出来ると考えます。
「色」が重要な役割を果たすモチーフを描くときに、カラー・ラテアートはその真価を発揮します。
たとえば花。桜の淡いピンク色や、バラの赤。特に花の場合は、花弁の色によって花言葉が違います。僕は、その花言葉に込められた想いを一杯のラテアートに乗せたい時、カラーであるからこそ伝えられるものがあると考えています。
キャラクターを描くときも、例えば戦隊ヒーローを描こうとしたら、「何色か」は、とても大事ですよね? そういったことを考えると、色を使うことの意義は、けして小さくないでしょう。
特に日本においては、「食品添加物(着色料)」を使うこと自体に抵抗がある人もいるのも事実です。
意見は色々とあると思いますが、同じ飲み物のジャンルで言えば、色つきのカクテルは殆ど色素によるものですから、少量の食紅使用に対してそこまで目くじらを立てるほどのものではないかなと思っています。実際飲んで頂くと味は普通のカプチーノやカフェラテと何ら変わりはありません(シロップを大量に使えば別ですが)。
それ以上に、お客様からの驚きや感動を、沢山生み出せる可能性のある手法だと僕は思っています。
ベルコルノのラテアートノウハウを詰め込んだ、「キャラクターラテアート・マニュアル」をリリースしました!。
僕のフルカラー・ラテアートはこちらのギャラリー・ページに色々と掲載しています。是非ご覧ください。