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風景を描く時に、背景に当たる部分を細かく描き込むか、淡く「イメージだけ」を描くかはいつも迷うところ。

繊細なタッチと描写は自分にとっては確かに強みだけれど、今回のように主題となるものがあり、しかもそれがシルエットがメインとなるような場合は、あまり背景を描き込みすぎてしまうとメインの絵柄の印象がぼやけてしまう。

 

今回、エッフェル塔をテーマに描くにあたり、描き込みはせずに仕上げると方向性を決めた。

 

ミルクならでの効果か、全体的に柔らかくもやがかかったような色合いで背景を作ったことが、塔を浮かび上がらせる結果に。

 

細かい描き込みをしていたら、こうはなからなっただろう。主題と背景のバランスをうまくとれた風景ラテアートの成功例。

 

もちろん、細かく描き込むことで、例えばウォーリーをさがせのように街並みのすみずみまでお客様に目を向けて頂けるようにはなっていたかもしれなし。

 

ご注文内容が「パリの街並み」だったら、僕もそうしていたと思う。ただ、今回はご注文が「エッフェル塔」だった。

 

ご注文をいかに的確に、いかに効果的な構図で描くかというのは永遠の課題だと思う。今回の一杯がベストだとは思わない。今の自分にとってのベストではあったが、次回のご注文があれば、これよりももっといい一杯を描けるようにしていきたいと思う。